ライトノベル受賞作品

「あいすくりーむ」

「アイスお二つでよろしいですか?」
「はい」

 仕事からの帰り道、コンビニでアイスを買いつつ既に帰っているであろう姪のことを考える。何故にこんなにも涼花ちゃんにきらwれているのだろうか。昔はお姉ちゃんと呼んで慕ってくれていたのに、今ではおばさんと呼ばれ睨まれるようになってしまった。自分で自覚はないが何かきらwれるようなことをしてしまったのだろうか?という不安を抱えながら今日もアイスを片手に家へと向かう。涼花ちゃんはアイスが好物という話を兄に聞いてから毎日買っているが、仲良くなれる兆しはない。
 そうこう考えてるうちに家についてしまった。今日もだめかなと憂鬱な気分で扉を開ける。
「ただいま」
 いつも通り返事はない。靴を脱いでリビングに向かう。
「アイス買ってきたよー?」
 声をかけつつドアを開くが、涼花ちゃんんの姿はない。あれ?と思い、続けて声をかけるが返事はない。自分の部屋で遊んでいるのだろうか?そう思い廊下に出て涼花ちゃんの部屋へと向かう。すると、私の部屋の方からボソボソと涼花ちゃんの声が聞こえた。私の部屋に何かあるのだろうか。不審に思いながらそっと覗いてみる。
「はあ……、おねえちゃんのまくらいいにおいがする……すき……」
 そこには私の枕に顔を埋めて悶えている涼花ちゃんの姿があった。どうやら私の枕の匂いを嗅いでいた?ようだ。
「あの……涼花ちゃん?」
「はっ!?おばさんなんでいるの!?」
恐る恐る声をかけると心底驚いた表情でこちらをみる涼花ちゃん。
「いやっこれはちがうの!ただベッドであそんでただけ!」
 どう考えてもそうは見えない。
「えっと、とりあえずリビング行こうか?」

「それで、何してたの?」
「だからあそんでただけ……」
「涼花ちゃんは遊びで人の枕の匂いを嗅ぐのかな?」
「あう……」
 涼花ちゃんが涙目になって私を見つめる。少々意地悪しすぎただろうか。でもこれは涼花ちゃんがかわいすぎるのが悪い。普段あんな態度をとっているのに、影でバレないようにあんなことをしてたなんてかわいすぎない?天使かな?
「それで、涼花ちゃんはどうしてあんなことをしてたのかな?」
「おねえちゃんがいなくてさみしくて……。でもおねえちゃんのまえだとはずかしくていえなくて……」
 この子は何を言っているんだろう?恥ずかしくて?かわいいの権化かな?えんじぇある舞い降りちゃった?
「どうして恥ずかしいの?」
「えっと、まわりの子たちがおねえちゃんのことすきなのへんっていうから……」
「そんなことだったの?」
「んえ?」
「そんなこと気にしなくていいのに」
 気にしなくていい。これは本心からの言葉だ。この子はずっとこの事で悩んでいたんだろうか?
「周りの事なんて気にしないで好きにしていいよ」
「でも……」
「周りがどう思っても涼花ちゃんは涼花ちゃんだし、私もそんな涼花ちゃんが好きだから」
「ほんと……?」
 涼花ちゃんが上目遣いでこちらを見つめる。
「うん」
「まくらかりてもいい?」
「なんなら今日から一緒に寝よっか?」
 そう言った瞬間、涼花ちゃんがばぁっと向日葵のような笑顔を浮かべて、
「うん!」
 と答えた。
 目が潰れた気がした。
「そうだ、アイス買ってきたから後で食べよっか」
「ほんと!?わたしアイスだいすき!」
「それはよかった」
 アイス一つでこんなにも喜んでくれるなんて本当にかわいらしい。
「そうだ!」
 涼花ちゃんが急にこちらを振り向いて、
「おねえちゃん、いつもありがとう!」
 一瞬時が止まったように感じた。ゆっくりちお、キラキラした星屑を振りまいている。
 ああ、これが本物の天使なのだろう。
「こちらこそ」
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